なぜ唇アートメイクは失敗しやすいの?5つの原因
施術者の技術不足や経験の差
唇アートメイクは、繊細な部位への施術です。そのため、施術者の技術や経験の差が仕上がりに大きく影響します。特に輪郭の取り方や色の入れ方には、高いスキルが求められます。経験の浅い施術者では左右差が出たり、ムラが生じたりするリスクが高くなります。
医療機関以外の違法施設利用リスク
アートメイクは、医師または医師の管理下にある看護師が医療機関で行う医療行為です。にもかかわらず、無資格の個人サロンや海外研修のみの施術者による違法施術が一部で行われており、感染症や重大なトラブルにつながる危険性があると指摘されています。安さだけで選ばず、医療クリニックであるかを必ず確認しましょう。
カウンセリング不足とデザインのずれ
唇アートメイクは、元の唇の形や厚み、肌色に合わせたデザイン調整が必要です。カウンセリングで希望をうまく伝えられなかった場合、「仕上がりが想像と違う」というギャップが生じやすいです。施術前のシミュレーション確認が失敗回避のカギです。
自分の唇に合わないカラー・デザイン選択
肌の色や血色、唇の厚さによって、同じ色でも仕上がりが大きく異なります。流行りのカラーでも自分に合っていない場合、不自然な印象や変色のリスクを招くことがあります。カラー選びや形のデザインは、カウンセリングの時慎重に決める必要があります。
アフターケア怠り・体質・生活習慣
施術後の唇はとても敏感です。施術当日の飲酒や喫煙、刺激物の摂取は色素の定着に悪影響を及ぼします。また、アフターケアを怠ると色ムラや炎症、さらにはヘルペス発症の原因になることも。加えて、もともとの体質や肌質、生活習慣によっても仕上がりに個人差が出やすいのが唇アートメイクの特徴です。

施術後の失敗判断タイミングと症状チェック
すぐに起こる腫れ・赤み・痛み
唇アートメイクは皮膚の浅い層に色素を入れるため、施術直後は腫れ・赤み・ひりつきなどの反応が起こりやすいです。多くは自然な反応であり、2〜3日程度で落ち着くことがほとんどですが、痛みが強すぎる・腫れが長引く・熱感を伴う場合は、炎症や感染の可能性もあるため、早めに医療機関に相談することを推奨します。
1週間後〜色落ち・かさぶたのタイミング
施術から数日経つとかさぶたができ始め、その後ポロポロと剥がれ落ちる時期に入ります。この時期に色が一気に薄くなったように見え、「失敗かも?」と不安になる方も少なくありませんが、これはごく自然な経過です。定着する色は最終的に2〜3週間後に落ち着くため、施術後1週間程度では正確な仕上がりを判断しないよう注意が必要です。
1ヶ月〜数年後の変色・色ムラ・デザイン飽き
時間が経過するにつれて、本来の色よりもオレンジや紫、グレーに変色したように見えるケースがあります。これは色素の成分や皮膚の代謝による影響であり、特に安価なインクを使用した場合に起こりやすいといわれています。また、色ムラが気になる場合は、2回目以降のリタッチで調整可能です。
さらに、当初気に入っていたデザインも数年経つと「濃すぎる」「似合わなくなった」と感じることがあるため、将来的なメンテナンスや除去も視野に入れておくと安心です。
失敗したときの修正方法とその注意点
描き足し・リタッチでの調整
唇アートメイクで仕上がりに納得できない場合、多くのケースではリタッチ(修正施術)によってバランスや色味の微調整が可能です。左右差の補正や色ムラの改善、輪郭の修正など、描き足すことで自然な仕上がりへ導く方法が第一選択とされます。ただし、肌の状態や定着具合によっては1回のリタッチでは改善しきれないこともあるため、複数回の施術を見越しておく必要があります。
レーザー除去・除去液による色素薄化
どうしても仕上がりが気になる、または根本的にアートメイクを除去したい場合は、レーザー除去や専用のリムーバル液を用いた除去ができます。レーザーは濃い色素を分解するのに適していますが、唇の粘膜は非常に繊細なため、痛みや腫れ、色素沈着のリスクが高いというデメリットもあります。リムーバル液による手法も有効ですが、時間をかけて段階的に薄くしていく方法になるため、根気と慎重な判断が必要です。
修正のリスク・料金・時間・結果差
アートメイクの修正には医療行為としての安全性の確保とともに、費用面・時間面での負担が伴います。リタッチであれば1〜3万円前後が相場ですが、レーザー除去は1回あたり3〜5万円程度かかることも。また、完全な除去が難しい場合や、肌質・代謝により結果に個人差が生じる点も理解しておきましょう。
そのため、「修正ありき」で施術を受けるのではなく、最初のクリニック選び・施術者選びが何より重要といえます。

失敗を防ぐための5つの対策
医療機関・技術実績のあるクリニック選び
唇アートメイクは医療行為に該当するため、医療機関での施術が必須です。価格だけで選んでしまうと、違法な無資格施術やトラブルのリスクが高まります。症例数・技術実績が豊富なクリニックを選び、医師や看護師が在籍しているかを必ず確認しましょう。
デザイン・色は自分の唇・顔に合うか確認
「理想の色・形」と「自分に似合うデザイン」は必ずしも一致しません。唇の厚さ・血色・肌トーンによって、似合う色味やデザインは人それぞれ異なります。トレンドだけで決めず、ナチュラルかつ時間が経っても違和感のないデザインを提案してくれる施術者を選びましょう。
施術者とのカウンセリングを徹底する
施術前のカウンセリングは非常に重要なステップです。リスクやダウンタイムについて正直に説明してくれるか、デザインの希望を細かく聞いてくれるかなど、信頼できる施術者かどうかを見極める場でもあります。不安や疑問があれば遠慮せず相談し、納得してから施術に臨みましょう。
アフターケア方法(保湿・紫外線ケア・飲食制限)
施術後のアフターケアを怠ると、色素の定着が悪くなったり、炎症や色ムラの原因となることがあります。保湿リップの使用や紫外線対策、刺激物・熱い飲食物の制限など、医師からの指示をしっかり守りましょう。ケアを徹底することで、仕上がりの美しさと持続力が大きく変わってきます。
2回コース・メンテナンス計画を立てる
アートメイクは1回で理想通りに仕上がるものではなく、2回以上の施術で完成させるのが基本です。さらに、数年後には色が薄くなってくるため、メンテナンスを前提とした長期的なプランを立てておくと安心です。初回だけで判断せず、計画的なスケジュールを組みましょう。

Q&A:よくある疑問に答えます
剥がれやすい?持ちはどれくらい?
唇アートメイクは、個人差はあるものの約1〜2年程度持続すると言われています。唇は新陳代謝が活発な部位のため、色素が定着しにくく剥がれやすい傾向があります。特に施術後1週間はかさぶたが剥がれる時期で、一時的に色が薄くなったように見えることも。これは定着までの自然な経過なので、必要以上に触ったり、リップメイクを重ねたりせず、医師の指示に従ってケアしましょう。
痛みや副作用はどの程度?
施術中は麻酔クリームを使用するため、痛みは軽減されますが、完全に無痛とは限りません。チクチクとした刺激や圧を感じる方もいます。施術後は赤み・腫れ・軽いヒリつきが出る場合もありますが、通常は数日以内に落ち着きます。ただし、体質やアレルギーによっては腫れが長引いたり、口唇ヘルペスが出る場合もあるため、既往症がある場合は事前に申告し、医師としっかり相談しましょう。
MRI検査に影響はある?
アートメイクに使用される色素には微量の金属成分が含まれることがあります。そのため、MRI検査時に発熱・違和感・画像にノイズが入るリスクが完全にゼロとは言い切れません。ただし、現在多くのクリニックではMRI対応の色素を使用しており、医療機関での施術であれば基本的に問題ないケースがほとんどです。念のため、MRI検査を受ける際にはアートメイク済であることを申告しておくと安心です。